コーヒーの無農薬栽培方法(シェードグロウン)について

野菜や果物の無農薬栽培が広がり、

今ではスーパーでは当たり前のように並ぶ時代になりました。

農薬が人体に影響を及ぼすのは何も野菜や果物だけではありません。

コーヒーも実は農薬が多く使用されているのです。

ただ近年はコーヒーの世界でも農薬が提言されています。

野菜や果物よりもコーヒーは遅い段階で品質の安定化が図られ(サードウェーブ以降ぐらい)1、2歩遅れてようやく注目されてきています。

今回はその中でも、環境にも優しく自然保護の観点でも注目されている「シェードグロウン」についてまとめました。

農薬について

◼︎使用率

ここからはコーヒー好きにとって耳が痛くなるお話です。

野菜や果物ばかり農薬のことが言われていますが、実は全食品の中でコーヒーに使われる農薬が一番多いのです。

全ての農作物(衣類用など)を含めると1位は綿花、2位がコーヒー豆です。

この2つだけで全世界の1/3の農薬が使われています。

この背景には需要が多く安定した生産が必要なものが上位にあると思われます。

その生産物が国の経済を支えるほどのものであればあるほど頼らざるを得ない状況を作ってしまっているようです。

◼︎農薬の種類

コーヒーに使用される農薬はおよそ140種類以上に及びます。

主に除草剤、除菌剤(きのこ・カビ)、殺虫剤、燻煙剤です。

DDT、枯葉剤など過去に戦争で使用されたような薬品も使用されている農家のあったり…。

発ガン性、白内障、生殖器異常、発達障害の要因、パーキンソン病 etc…

引き起こすであろう症状も数え切れません。

◼︎さび病

生産者が農薬を使用てでも避けたいコーヒーノキの病があります。

それが「さび病」です。

これはどういった病気かというと、葉っぱに錆のような斑点が出来ます。

そしてやがて斑点から全体に広がり光合成の機能を失わせます。

水を媒体として感染するだけではなく、空気による感染もする非常ひ感染力の強い病原体です。

かつてインドネシアに自生していたティピカ種もこれで全滅しかけたと言われています。

スリランカのコーヒーは150年以上昔に絶滅し、紅茶の栽培に切り替わったとも言われています。

そして世界で人気なアラビカ種はこのサビ病に弱いことでも知られています。

◼︎燻蒸について

聞き慣れない言葉ですが、無農薬コーヒー以外のほぼ全てのコーヒーにされている殺虫方法です。

輸出時の検疫を通すために散布されます。

日本の生態系を守るためにグリーンの豆の中の隅々までアルミニウム系の殺虫剤を霧状にして撒きます。

この農薬は常温で揮発するので体に害がないという説を唱える人もいますが、残留がないとは決して言えません。

無農薬栽培方法

暗い話はそろそろ終わりにしましょう。

上で話した通り、農薬は非常に危険なことは農家サイドも重々承知しています。

なので徐々に低農薬・無農薬は広まっています。

◼︎シェードグロウンについて

英訳するとShade(日陰)・grow(育つ)・coffee(コーヒー)という意味です。

シェードツリーコーヒー、木陰樹、日陰樹とも呼ばれます。

この栽培方法は少ない水でコーヒーノキは育ちます。

またスペシャルティコーヒーのひとつとして分類され、森林栽培及び渡り鳥の保全など、自然環境の保護を目的としたコーヒー農園があてはまります。

◼︎なぜ木陰なのか

コーヒーノキは熱帯樹林の下で成長すると言われています。

そして、アラビカ種は特に日差しが苦手なのです。

そして渡り鳥の止まり木としても役に立ちます。

◼︎害虫対策

ただ木陰にするだけでは害虫は寄ってきます。

日本の家庭栽培でもよく使われるハーブによる害虫対策がされています。

コーヒーの実とハーブをブレンドし、菌糸類を発生させて原液を作りそれを散布することで

一番厄介な「ブロッカ」と言う実を食い荒らす非常に小さな虫に対抗します。

そして凄いことに「ブロッカ」以外は対策はしません。

その代わりに自然発生した蜘蛛を活用します。

自然のことは自然に任せると言った天然の捕虫機が利用されるのです。

◼︎手間がかかる

言わずもがなこれは手間がかかります。

自然を活用するので長い年月で木を育てて密林化させるのです。

そして密林になれば大きな機械が入る隙間などありません。

なので人の手で丁寧に実を摘んでいくので自然と傷は少なく、より美味しく品質の良いものになっていきます。

ただし人件費も多くかかる上に大量生産は望めないことがデメリットです。

まとめ

コーヒーは非常に多くの劇薬と呼ばれる農薬が多く使用されています。

ただ、昨今注目を浴びているのがシェードグロウンと言った栽培方法です。

取り巻く木々や動物などの生態系の保全にも役立ちますが手間と時間がかなりかかります。

徐々に各国で浸透していますが、人件費などのコストがかかるので豆自体は安くはないようです。

町で見かけることはまだまだ少ないですが、手に取る機会がありましたらぜひ飲んでみてください。

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