アラビカ種とロブスタ種の違いとは

名前はよく聞くけど、意外と違いが分からないロブスタ種とアラビカ種。

特にアラビカ種はここ最近は前面にプッシュしたカフェが多く点在します。

味はどう違うのか、ロブスタ種にネガティブな印象があるけどそれは果たしてどうしてなのか?今回はこの2つの違いについてお話ししましょう。

コーヒーの品種について

まずはどれだけの種類が存在するのでしょうか。

世界60カ国で生産され、200種類以上の品種が存在します。そして、今もなお突然変異や品種改良で増えています。商業的に利用されているものは大きなカテゴリーで分けると2つに分類されます。

それが「アラビカ種」と「ロブスタ種」になるのです。アラビカ種は商用利用されているものは約20、ロブスタは約3種類ほどになります。流通比率はアラビカ:ロブスタ=7:3ぐらいです。カフェなどで使用されるものはだいたいがアラビカ種だと思っていただいて構いません。

アラビカ種

アラビカ種から枝分かれする品種はかなり多く存在します。

  1. エアルーム
  2. ブルボン
  3. ティピカ

上の3つに派生していきます。

産地特性

原産地はエチオピアになります。

ロブスタと違い、栽培条件が難しく品質を保つのが難しいとされています。標高は1,000mを超えた山岳地帯で栽培され、収穫には多くの労働力が必要となります。年間の気温は平均18〜21度ぐらいが適し、昼夜の寒暖差が大きいところで良く育ちます。土壌は火山灰性のミネラルが多く含むことも好条件の1つとされています。

ただし、「さび病」と言った伝染病に弱いことが知られています。

味の違い

栽培の難しさと引き換えに、素晴らしい味をもたらしてくれます。スペシャリティコーヒーのほぼ全てがこのアラビカ種に分類されます。

味の特徴は、まるで果実を絞ったかのような「果実味」、口に広がる「酸味」、嫌味の無い「苦味」、奥行きのある「コク」全てがハイクオリティーです。

使用用途

カフェで使用されるレギュラーコーヒーと呼ばれるコーヒーのほとんどがアラビカ種です。鮮度による変化が激しく加工で使用することは難しいのです。それ故、缶コーヒーなどに使用することは少なくなります。

ロブスタ種

産地特性

原産地はアフリカになります。

アラビカと大きく違うのは栽培の容易さです。標高は500mよりも低くても栽培が可能であり、気温は20度〜30度ぐらいが適しています。病気に強く、木に実る量もアラビカと比べて多いことが特徴的です。

ベトナム・インドネシア・ブラジル・インド・ウガンダなどで多く栽培されています。その中でもインドネシアは悲劇に遭っています。元々はアラビカ種(ティピカ)が多く実っていましたが、サビ病で全滅してしまいました。そのため病気に強いロブスタ種に切り替えざるを得なかったのです。数十年が経ち、たまたま生き残っていたアラビカ種を奇跡的に見つけ、少しづつ増やしているそうです。

味の違い

苦味が強く、やや土っぽさがあるのが特徴的です。良いように言うと、昔ながらのコーヒーの印象があります。

使用用途

値段の安さや加工のしやすさが理由でインスタントコーヒーや缶コーヒーによく使われます。

また、特徴的な香りを甘味料などで誤魔化すことができるからとか…。

カフェインの量が違う?

ここまで味や香りが違うと含まれるカフェイン量も違うのでは?

ロブスタはアラビカよりもカフェイン含有量が2倍になるそうです。逆に含まれる少糖類がアラビカの方が多いとされています。

まとめ

最後に表でまとめてみました。

 ロブスタ種アラビカ種
原産地アフリカエチオピア
標高500m以下1000m以上
気温20〜30度18〜21度
耐病強い弱い
収穫量多い少ない
苦味が強い果実味、酸味が強い
価格安価高価
使用用途缶コーヒー
インスタントコーヒー
レギュラーコーヒー
流通比率30%70%

年々研究が進んでいき、最近では両者の良いところを掛け合わせたハイブリット品種も存在します。

また、一概にロブスタが美味しくないと言うことはありません。ロブスタもブレンドに組み込んでボディを出したりなどレギュラーコーヒーとして飲むこともあります。

家庭で質よりも量だ!と言う人はロブスタでも良いのかもしれません。

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