コーヒーチェリーの構造について

焙煎されたコーヒー豆は日常的に目にすることはありますが

なかなか木に実っているところは目にしたことがある人は少ないかと思います。

国内で栽培しているところは極端に少なく自然と目にすることはほとんど無いかと思います。

今回はコーヒーの実について解説していきます。

分布

コーヒーの木ができるのは主に北緯25°と南緯25°の間にできます。

これをコーヒーベルトと呼びます。

赤道から近いことが分かります。

なぜこのような土地が適しているかと言いますと以下の条件が挙げられます。

  • 直射日光を受けても酷暑では無い
  • 相当量の雨量に恵まれた年間平均気温が摂氏15~30度ぐらい
  • 降雨量が1800ミリ内外の排水のよい土地

また他にも寒暖差や高低差の激しさがあると栽培に適していたりします。

コーヒーチェリーの見た目

見た目はチェリーと言われるからさくらんぼに似ているかと思えばそういうことはありません。

どちらかと言うとアセロラのようなブドウ(デラウェア)のような見た目をしています。

実り方もブドウのように密集しています。

完熟すると赤くなります。

断面図

それでは断面図を見ていきましょう。

このように1つの実に2つの種子が入っています。

稀に1つの大きな種子が入っていることがあります。

これをピーベリーと呼びます。

数%の確立でこの状態になり、希少性故に高値で取引されます。

味がまろやかになったりするとか…

特に変わらないと言う人もいます。

では用語を1つ1つ深掘りしましょう。

ミューシレージ

ミューシレージは滑り気のある実を剥いだらすぐのところにあります。

このミューシレージを取り除いて感想させたものをウォッシュド

実やミューシレージを残したまま乾燥させたものをナチュラルと言う精製方法になります。

ちなみにミューシレージだけを残して干したものはパルプドナチュラルと呼びます。

コーヒー作りの味の方向性でかなり重要な役割を持ちます。

パーチメント

ミューシレージとシルバースキンの間にある薄く柔らかいベージュの色をした内果皮のことを言います。

農場から工場に出荷されるタイミングではパーチメントに包まれた状態で出荷されます。

このほうが豆の保存性が高く品質を損なわないからです。

輸出される直前で脱穀され各国に届きます。

コピ・ルアク(ジャコウネコ)は猫の体内で発酵した豆のことですが、これはパーチメントに包まれていることで消化されず守られているのです。

シルバースキン

シルバースキンとはコーヒー種子表面の薄皮のことです。

生産処理でほとんどが取り除かれていますが、一部が薄く張り付いた状態で残っており、焙煎時に熱によって剥がれ落ちます。

チャフとも言われます。

深煎りの豆は焼き切れて残ることは少ないのですが、逆に浅煎りには多く残ります。

また、抽出効率(水の流れを悪くする)を下げてしまうので嫌われます。

しかし、このチャフ自体にも旨味となる成分が少なからず存在するので上手く付き合うことが必要です。

まとめ

コーヒーの実はミューシレージ・パーチメント・シルバースキンの層でできている事が分かりましたね。

処理する手順や発酵の仕方など様々や方法で味に変化が生まれます。

まだまだ新しい精製処理が生み出されているので奥が深いですね。

また、豆選びも楽しくなるので知っていて損はないと思います。