今更聞けない、スペシャリティコーヒーについて

こんにちは、

Funika店主の正太です。

今回は街で最近よく見かけるようになったスペシャリティコーヒーについて解説していきます。

コーヒーの歴史を織り交ぜて説明していきます。

コーヒーの歴史

まずは初めにコーヒーがどのように人間に馴染んできたのか

ざっくり説明していきましょう。

コーヒーの始まり

文献で一番古くから残されているものだと10世紀(約900年頃)になります。

アラビアの医師であるラーゼスが記録したものとされています。

彼はコーヒーの種子を煮出したものを患者に飲ませ、コーヒーに薬理効果があると考えていました。

文献には、“コーヒーには強心・消化、利尿の効果がある”と詳細な臨床結果を残しています。

その後、イスラム教の医師であるアヴィセンナ(980〜1037年)にも同様に

「熱さ口当たりの良さ第一級なり。人によりては興ざましなること第一級。

身体各部を強化し、皮膚を清めて湿りを取り去り、香りを生む」

このようにコーヒーの医学的な効能が表されていました。

コーヒーの始まりは医師によって記し残されてきたことから

飲み物としてだけでなく、薬として扱い考えられてきました。

コーヒーが飲み物として発見

1258年頃、アラビアのモカ(現在のイエメン)の祈祷師シーク・オマールが発見しました。

これがまた物語のような発見をしたとして記されていますが本当かはわかりません。

モカ王の娘が病気で床に伏せていました。

その娘の祈祷で訪れたオマールが癒した際になんと恋に落ちてしまいます。

後に王にこの事がバレてしまい、オマールはオウサブという土地に追放されるのです。

オマールは山中、とても綺麗な羽をもった小鳥が陽気にさえずるの見つけました。

思わず手を伸ばしましたが、それはなんと花と果実だったのです。

あまりの空腹でオマールは果実を持って帰りそれをスープにすることにしました。

コトコトと煮詰めているとそれはなんとも素晴らしく香りの良い飲み物が完成したのです。

オマールはそれを飲むと、どんどん元気が出るような気がしたのです。

これがコーヒーが飲み物としての始まりになります。

ちょっと信じ難い話ですが…

コーヒーはイエメンから広がったとされています。

イエメンでは商用として扱われていなかったのですが、

貿易で訪れたエチオピアの人間が苗を持って帰り、それを植えたことで商用として広まっていきました。

そして日本には鎖国中にコーヒーが入ってきました。

長崎で唯一開かれたオランダ商館にあったとされます。

スペシャリティコーヒーとは何か

コーヒーには長い歴史があることが分かりましたね。

時が経つにつれ大量消費で質の悪いものが出回るようになっていきました。

質を誤魔化すために長く火を当てて深煎りにして味を均一化していたのも事実。

イタリアンロースト・フレンチローストはそこから生まれたのでしょう。

では、本題のスペシャリティコーヒーについて説明していきましょう。

いつ・誰が言い始めたのか

1970年代までの大量消費時代の課題であったコーヒーの品質低下を食い止めるために、

アメリカのSCAA:通称 スペシャリティコーヒー協会によって提唱されました。

SCAAは1982年に設立した少数先鋭のコーヒー専門家集団です。

1978年のフランスで開かれたコーヒー国際会議のインタビューで、

高級豆の第一人者であるエルナ・クヌッセンが造語で”スペシャリティーコーヒー”と使ったことで生まれました。

スペシャリティコーヒーと何か

日本スペシャリティコーヒー協会が提唱する条件は以下の3点です。

  1. 生産国においての栽培管理、 収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。
  2. 適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。
  3. 適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が 表現されることが求められる。

上記から分かるように、

徹底的な一貫性を求めていることが分かります。

カッピングによる評価方法

では、味による評価の基準項目を見ていきましょう。

以下、9項目あります。

  1. フレーバー:風味、鼻で感じる香りと味を評価
  2. アフターテイスト:飲んだ後の余韻を評価
  3. アシディティ:酸味(クエン酸、りんご酸、酢酸、リン酸)を評価
  4. ボディ:コク、オイル性、ミネラル感を評価
  5. バランス:風味、酸味、コクのバランス、個性を評価
  6. ユニフォーミティ:ばらつきがないか評価
  7. クリーンカップ:雑味、汚れ、欠点豆の味がないか評価
  8. スイートネス:甘さを感じるか(水1ℓに対して砂糖5gを入れたような)評価
  9. オーバーオール:全体の評価や購入を想定した評価

COE:カップ・オブ・エクセレンス

生産者のモチベーションを上げる取り組みとして始まりました。

スペシャリティコーヒーの国際定評会があります。

ここで称号を得ると世界中のバイヤーによってオークション取引されます。

生産者にプレミアムが支払われ、

生産者の生活や地位の向上が約束されます。

今後のコーヒーを作るモチベーショに繋げるべく始まった仕組みなのです。

まとめ

スペシャリティコーヒーとは簡潔に言うと最高品質の豆と言うことです。

そこには厳しく何項目にも別れた評価基準を乗り越えた背景があるのです。

飲む機会がありましたら、単に高い豆と思わず

生産者の努力などを思い浮かべつつ飲んでみてください。

また、我々バリスタも生産者の背景を伝えていくことも大事なのです。

美味しいものを届けることも大事だけど、

生産者のストーリーをお客様に伝えることで更なる品質向上につながるのではないでしょうか。

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