OREA Brewer V3 MK2について(日本語訳、レシピ動画)

昨今様々な抽出器具が世に生まれています。形状や素材に至るまで各社こだわりが多く見られます。

当店でも使用をする器具を今回は注目してみましょう。

UK ブリュワーズチャンピオンのMatteo氏が別注し、世界大会で使用されたことで話題になりました”V3″の改良版が昨年出ました。素材や細かな形状に変化がありましたので今回まとめてみました。

OREAとは?

イギリスのロンドン発のサスティナブルなコーヒー器具です。

“From the mountains”

“To the mountains”

OREAが大きく掲げているこの意味は「山々から」と言う旧ギリシャの言葉です。そして現在のギリシャでは「美しい」と言う意味を持ちます。家でもアウトドアでも使用することを想定した器具だからこその社名ですね。

一生物の製品造りを心がけており、使い捨ての消費財が世の中を席巻していることに疑問を常に持つ哲学がOREAにあります。

日本語訳(意訳)

外箱

イギリスのロンドンのプロダクトのため外箱も中の説明書も全て英語です。

ではまず、軽く翻訳して説明していきましょう。

略)

色 → マットブラック

この改良版は黒のみの展開です(2024.1.24時点)。

サイズ → ラージ(1〜2杯/185)。

この185はウェーブのペーパーの規格サイズを指します。

略)

追加オプションのベースは抽出の安定性を生み出します。このベースは使用済みのプラスチックを素材として、イギリスの職人によって製造されています。このプログラムによって、すでに1トン以上の使用済みプラスチックを再生することに成功しています。
略)

食品用に認定された、BPAフリーのポリプロピレン製を使用しています。また断熱性にも優れ、飛散防止の加工を施しています。いかなる場面でも最高のパフォーマンスを可能になるように設計されています(軽く、持ち運びがしやすく、耐久性が優れている)。コーヒーの抽出環境に柔軟にフレキシブルに対応できるよう考えられています。

ロンドンにてデザイン、インドネシアで製造

※BPAとは、ビスフェノールAという化学物質のことを指します。プラスチックの一種であるポリカーボネート、エポキシ樹脂の原料として使用されます。このBPAは食器や容器などから飲食物に溶け込み、食事を通して人の体内に取り込まれる可能性があります。

略)

早い抽出(抽出効率)と一貫性

独自に設計されたフラットベットデザインによって、今までにないパフォーマンスが実現できます。このデザインにより"軽さ、甘さ、明るさ"抽出できることが特徴です。より良い抽出効率、実現性、素早い抽出速度が可能です。

スペックについて

では気になるドリッパー本体について触れていきましょう。

素材感

改良前はトロガミド(医療の現場でも使用されている耐久性と安全性に優れた素材)でしたが、今回の改良でBPAフリーのポリプロピレン製に変更されています。どちらも耐久性は非常に頑丈であることは変わりません。ポリプロピレン製の方が若干軽く薄いのではないでしょうか?プラスチックなので比熱は高いの保温力は良いです。質感はざらっとしています。

形状

底の抽出口は、OREAリングと呼ばれる独自のデザイン。
スペシャルティコーヒーの美味しい部分だけをドリップできるように、従来のドリッパーよりも大きく穴を開けています。

改良版では細かい凸凹が追加されました。このデザインによって抽出効率が上がりました。ペーパーが底に密着しないことで詰まりを改善しました。そのことにより抽出の速度が上がり、フレーバーも明るくなりました。

日々の手入れについて

  • 食器用洗剤を使用して柔らかいスポンジで洗ってください
  • 食洗機はOK!(食洗機の1番上の段で洗浄お願いします)
  • 研磨剤の入った洗剤やスポンジは使用しないでください
  • 電子レンジは使用しないでください

基本的には頑丈なプロダクトなので神経質になる必要はありません。そもそもドリッパーを電子レンジに入れることはなかなか無いです。ただ、傷付いた場合はそこから不衛生に繋がるのでスポンジだけは気をつけましょう。

公式レシピ

付属しているレシピが3種類ありましたのでご紹介します。中には説明が足りないものがあるので私の方で若干のアレンジが入ります。

THE FINE

オールラウンダータイプでどのコーヒーにも対応できます。

豆のグラム挽き目湯量湯温
12g中細挽き
コマンダンテ16クリック
200g90°
0:00〜
50gのお湯を満遍なく注ぎ、4回ドリッパーをスピンします

0:45〜
75g注ぎます(総液量125g)
この時、2段階にフェーズを分けます。
25gはゆっくり円を描き、残りの50gは中央に注ぎます。
1:30〜
75gをSTEP2の時と同様に繰り返します
〜2:40
落とし切ります

The PULSE

ナチュラルプロセス向きの淹れ方

豆のグラム挽き目湯量湯温
12g中荒挽き
コマンダンテ24クリック
200g96~99°

0:00〜
40gのお湯を満遍なく注ぎ、4回ドリッパーをスピンします
0:45〜
40g(総液量80g)をゆっくり注ぎます
1:10〜
40g(総液量120g)をゆっくり注ぎます
1:35〜
40g(総液量160g)をゆっくり注ぎます
2:00〜
40g(総液量200g)をゆっくり注ぎます
〜2:30
落とし切ります

各フェーズの注ぎ方がpour slowlyしか記載はないのですが、ここは恐らく円を描くことを意味していると思います。

The MID

ウォッシュドプロセス向きの淹れ方

豆のグラム挽き目湯量湯温
18g中挽き
コマンダンテ22クリック
300g96°
0:00〜
75gのお湯を満遍なく注ぎ、4回ドリッパーをスピンします
0:45〜
75g(150g)を円を描くように注ぎ、4回ドリッパーをスピンします
1:40〜
150g注ぎます(総液量300g)
この時、2段階にフェーズを分けます。
50gはゆっくり円を描き、残りの150gは中央に注ぎます。
〜2:40
落とし切ります

抽出動画

公式のレシピのThe PULSEを若干のアレンジを加えて動画を作りました。

変更点は湯温です。公式は96〜99°と高温なため成分が出やすい傾向があります。焙煎具合にもよりますが、やや強すぎるような印象を受けました。このドリッパーの強みである甘さやジューシーさを活かしつつスッキリさせるため湯温を90〜92°にアレンジしました。

まとめ

ドリッパーの中では比較的高めな部類ですが、明るさ・甘みなどが安定して淹れることが可能です。味の面だけではなく、プロダクトができるまでのストーリーが非常に素敵でした。別売りのベースも5種類あり、あえて不完全な色を出し個性が豊かなことが特徴です。人と被りたくない人はぜひ使ってみてください。

公式で出しているレシピも様々な豆に対応できるので使いやすかったです。動画も参考にしてみてくだい。

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