ペーパードリップは濡らすべきか

こんにちは、

Funika店主の正太です。

今回は永遠のテーマであるドリップのペーパーについてのお悩みです。

ペーパーを“濡らす”or“濡らさない”かです。

味を決める上で非常に大事なことなので抑えておきましょう!

ペーパーの構造について

まず話し始める前にペーパーについて理解する必要があります。

理解することでどっちの選択をすれば良いのか明確な答えが導き出せます。

材質

「ペーパー = 紙 = 木材」

木材は木材であっても木ではないです。

多くはコットン・竹・麻などのパルプ素材で構成されています。

また、ポリプロピレンと言った不織布の一種の材質のものもあります。

主にドリップバッグに使われているイメージです。

クレーピング

ペーパーの表面を近くで見てみましょう。

見てみると、表面が凸凹としたテクスチャーであることが分かります。

これを「クレープ」と呼びます。

ペーパーとドリップに僅かな空気層を保つことで

適切なウォーターフローを生み出しているのです。

ちなみに三洋産業のCAFECはキメが均一で両面がクレーピングされているので

濁りのない綺麗なコーヒーを作れます。

物質

繊維に含まれる物質について。

「リグニン」と呼ばれる物質が含まれています。

これは植物繊維に多く含まれる紙の臭さの原因の1つです。

植物中にセルロースなどと結合して存在する高分子化合物であり、

 細胞壁に堆積たいせきして木質化を起こし、植物体を強固にする。

毒性のない化合物です。

紙の強度に関わる大切な物質なので除くことはできません。

ペーパーの種類

ペーパーには主に「未晒し」「漂白」の2種類に分類します。

未晒しは茶色いクラフト紙のような色合いで、紙の匂い非常に強いです。

こちらの紙の方が環境に優しく、値段も僅かに安いです。

漂白は白く、匂いは抑えめです。

無塩素漂白で白くし、大量の水を使います。

プロとして現場に立つのであれば漂白タイプを選びます(よほどサスティナブルな店舗でない限り)。

濡らす理由

結論から言いますと、

濡らすようにペーパーは出来ています。

これは先にも述べた「リグニン」を企業側が水溶性に変化させているからです。

紙の臭さの原因であるリグニンが水に流れるようになっているので初めに流さなければ

蒸らしの工程でコーヒー液の中に臭い成分が入ってしまうのです。

なので濡らして濯ぐことでクリアなコーヒーが作れます。

さらに言うと、濡らすこでドリッパーが温まることが出来るので抽出効率が上がります。

この2点の理由から濡らすべきだと考えられます。

濡らさない理由

では、なぜ濡らさない選択もあるのか?

それは水分とコーヒー粉が触れた瞬間から抽出が始まるからです。

コーヒーの成分は液体に流れるように溶け込みます。

そのためセットした瞬間からゆっくりと抽出がされてしますのです。

また、フラワードリッパーのように濡らさないことで空気層を最大に活かすように設計されているものは濡らさないです。

三洋産業のペーパーはほぼ紙の匂いはしないので合わせて使うようにしましょう。

まとめ

抽出効率や店内オペレーションを鑑みると濡らすことを推奨します。

選んだ器具にもよりますが、濡らさないことを選ぶのであれば漂白されたペーパーを選ぶことはマストになります。

また、濡らす理由を明確に理解することで日々のクオリティーや安定性にも繋がりますので覚えておきましょう。

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